「伝える、伝えない、伝えられない」翻訳プロジェクト
ライト・ローレン
テキスト:史上初、ブラックホールの撮影に成功!https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64040
私の夢は科学者になることである。そのために、科学の単語や漢字や表現をきちんと学ぶべきだと思う。なので、「伝える、伝えない、伝えられない」翻訳プロジェクトで科学についてのとても面白い記事を翻訳すると決めた。それは「史上初、ブラックホールの撮影に成功!」という天文現象「ブラックホール」についての記事である。数か月前、天文学者の本間希樹さんによって、最初の本物のブラックホールの写真が撮られた。本間さんはこの大成功について「巨大ブラックホールの謎」という本を出版したが、この記事はその本の抜粋である。
この記事を翻訳したかった理由は、天文学、そしてもちろん全部の科学は世界の人々にとって、とても大事であるからだ。たくさん人々が科学を考えせずに生きていくからその周りの技術が天文学や化学や情報科学のおかげで可能になったのは気づかないだろう。例えば、人々は天文現象の何が大事か、とても遠い話で人生には関係ないだろう、どうして望遠鏡や研究のためのお金を払うのかと考えるかもしれない。確かに関係ないものに見えるかもしれないが、天文学の研究は人類のために、役立つ可能性があると思う。どうして人生が存在する、地球で以外の生命体は存在するか、どうやって宇宙が形成されたかなどの問いはいつか天文学の研究によって答えられるかもしれない。
この記事を翻訳しながら、日本語と英語の言葉の違いやニュアンスや語感をに気を付けるつもりである。特に、科学の言葉の違いについて興味がある。日本語は漢字があるから、言葉を短縮しやすい。例えば、日本語の「国立天文台」は英語に翻訳すると「National Astronomical Observatory of Japan」のように長くなってしまう。多分、翻訳を続けながら、ほかにもたくさん面白い違いを見つけるだろう。この記事を分析しながら、単語や表現やトーンから日本の科学コミュニティについて何が学べるか、という質問をよく考えたい。多分日本とアメリカの科学コミュニティはたくさん面白い違いがあるだろう。その特徴を見つけたいと思う。
この記事を翻訳しながら、いろいろな面白いことがわかった。まず一般的に、科学の記事は他の記事よりずっと翻訳しやすいということである。作者は、記事の内容と目的についてはっきりと言う。専門語は調べやすいし、それに合っている翻訳語が見つけやすい。しかし、ブラックホールの記事の中に翻訳しにくい部分もあった。
最初は、このような長い文である。「日本時間の2019年4月10日夜、国立天文台を含む世界16の国と地域の研究機関が共同で記者会見を開き、ブラックホールの「穴」の撮影に成功したことを発表しました。」日本語でも、これははるかに長い文である。動詞はやはり最後にくる。この文書を翻訳するために、小さい部分に分けて、ひとつひとつ翻訳して、英語の並び方を何回も考え直した。そして、「16 countries including the National Astronomical Observatory of Japan and regional research institutions have announced in a press conference together that on the night of April 10th, 2019 Japan Time, they succeeded in photographing a black hole.」になった。この文で伝えたかったのは日本語の「プレスリリース」のトーンである。ふつうに、英語のプレスリリースはたいてい短く書かれるので、そのトーンを長い文で伝えるのが難しかった。
次の面白い部分は「この当たり前の疑問は、じつはまだはっきりとした答えが得られておらず、現代天文学の大きな謎として残されています。」である。日本語で、「得られておらず」はフォーマルなトーンがある。そのトーンを英語に伝えたかった。そのために、「has not been forthcoming」を選んだ。「forthcoming」は日本語の「得られておらず」の語感を伝えていると思う。
最後の部分は翻訳で一番深く考えたところである。「こんなことを聞けば読者の皆さんは「え?」と思いますよね?」はふつうに、日本語の科学文書で現れないだろう。トーンが科学的からもっと自然な感じに変わって、読者に直接話しているようである。それを伝えたかったので、「Hearing this, you are thinking “huh?” right?」にしたのである。「読者の皆さん」の代わりに、「you」を入れた理由は、日本語で、「君」とか「あなた」とかは失礼であるが、英語の「you」はそうではない。本間さんがちょっと読者と仲良くなりたがっている気がしたので、英語のフレンドリーな翻訳を選んだ。
この記事を翻訳しながら、驚いたことは英語に伝えられない表現が特に出てこなかったことである。翻訳する前に、日本語と英語の科学文書に絶対に大違いがあるに違いないと思っていた。日本語と英語の小説やエッセーの多くには文脈の含みが多いため、本当の意味は隠喩や例えで隠されていて、それを見つけるのは読者の役名である。しかし、この記事の書き方、実は英語の科学文書に似ている。先の例の通り、作者の意味ははっきりと文の中に書いてあるのである。
ほとんどの部分は英語で簡単に伝えられたが、本当に伝えられなかった部分は二つある。どちらもカタカナ語の説明である。「ブラックホール」は「黒い穴」で「ジェット」は「噴流」である。しかし、カタカナ語はもともと英語の言葉であったから日本語の翻訳を英語に戻したら、何の意味もない。これから、もっと日本語の新聞の記事や短編小説や科学の記事を翻訳して考えてみたいことがある。例えば、この記事の中で、フォーマルとフレンドリーな表現があったが、それはふつうなのであろうか。それとも珍しいのであろうか。
このプロジェクトを通して、確かに日本語の科学専門語の知識が増えたが、それより日本語を分析することが少し易しくなった気がする。日本語と英語の文法の違いにも少し慣れてきた気がする。しかし、一番重要な習ったのは科学はやっぱり世界のどこでも同じであるということだ。翻訳はとても面白くて、たくさん勉強になった。
記事の日本語版:
史上初、ブラックホールの撮影に成功! https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64040
人類が初めて目にする「黒い穴」
本間 希樹, ブルーバックス編集部
日本時間の2019年4月10日夜、国立天文台を含む世界16の国と地域の研究機関が共同で記者会見を開き、ブラックホールの「穴」の撮影に成功したことを発表しました。
撮影されたのは、おとめ座にある楕円銀河「M87」の中心にある巨大ブラックホールです。
M87までの距離は約5500万光年、「穴」の見かけの大きさは角度にして1億分の1度。これは、月面に置いたゴルフボールを地上から見たときの大きさに相当します。
地球規模の巨大電波望遠鏡ネットワークによって初めて見えたブラックホールの姿からなにがわかるのか。
今回発表を行った、EHTプロジェクトの日本チームの代表者である、本間希樹・国立天文台教授の著書『巨大ブラックホールの謎』から、抜粋して解説をご紹介します。
ブラックホールとは
ブラックホールはとても奇妙な天体です。その性質を一言でいうと、「重力が強くて光さえ脱出できない天体」ということになります。
光はこの宇宙で最も大きな速度を持っていて、その速さは秒速30万kmです。これは1秒間に地球を7回転半するくらいの速さです。
このとてつもなく速い光でさえブラックホールから脱出できないわけですから、それより速度の遅い通常の物質も脱出することはできません。そして、光さえ出てこないので、見た目も真っ黒な天体になるというわけです。
つまり、ブラックホール(Black Hole)は、その名の通り「黒い穴」なのです。
このようなブラックホールはどのようにしたら作ることができるでしょうか?
じつはここには星の進化が関係しています。非常に重い質量の星(太陽の30倍以上の星)が燃え尽きた場合は、中心部でブラックホールが作られると考えられています。
このようなプロセスによって作られるブラックホールは太陽の数倍から10倍程度という通常の恒星程度の重さを持っているので、「恒星質量ブラックホール」と呼ばれます。
“巨大”ブラックホールとは
一方、巨大ブラックホールは、太陽よりもはるかに大きな質量を持ちます。具体的には太陽の100万倍から、最大で100億倍という値になります。
その存在する場所も、またその個数もたいへん特徴的です。
「恒星質量ブラックホール」は、星が一生を終える際にできる天体ですので、星がある場所(たとえば銀河の円盤など)にはどこでも存在する可能性があります。
それに対して、巨大ブラックホールは、基本的にどの銀河にも中心に一つだけです。そして、私たちの天の川銀河も含めた多くの銀河で普遍的に存在すると考えられています。
どの銀河にも普遍的に巨大ブラックホールが存在することがわかってくると、まず出てくる大きな疑問は「このような巨大ブラックホールがどのようにしてできたか?」ということです。
この当たり前の疑問は、じつはまだはっきりとした答えが得られておらず、現代天文学の大きな謎として残されています。
じつは小さい巨大ブラックホール
巨大ブラックホールは恒星質量ブラックホールに比べて重さが桁違いに大きいので、半径もそのぶん巨大になります。ところが、そのような巨大なブラックホールといえど、他の天体に比べると、じつはたいした大きさではありません。
どんなに大きな巨大ブラックホールといえど、太陽系くらいの大きさしかなく、銀河全体から見れば非常に小さなほぼ「点」にすぎないのです。
たとえば天の川銀河の中心にあるブラックホール、いて座Aスター(Sgr A*)の場合、質量は太陽400万個分で、半径は1200万kmとなります。これは、地球と太陽の距離のわずか8%程度です。
ブラックなのに宇宙でいちばん明るい!?
さらにもう一つ驚くべき特徴は、巨大ブラックホールは「宇宙で一番明るい」天体なのです。
こんなことを聞けば読者の皆さんは「え?」と思いますよね? なにしろ光さえ飲み込んでしまう、文字どおり暗黒の天体だったはずですから。
しかし、ブラックホールが暗黒であるのは、真空中に単独で存在している場合の話です。銀河の中にブラックホールが存在すると、その強い重力によって周囲に漂っているガスを引きつけます。
ガスは次第に中心に落ち込んでいき、やがてブラックホールの周囲をぐるぐる回転するガス円盤(降着円盤)を形成します。
このガスは、ブラックホールの重力によって光速度に近い回転速度まで加速されます。その際、摩擦によって非常に高い温度まで熱せられるので、たいへん明るく輝くのです。
このようなブラックホールと考えられている天体の中には、太陽の1兆倍以上の明るさで輝いているものもあります。
念のためですが、明るく輝いているのはブラックホールそのものではなく、その周りの降着円盤です。しかし、この降着円盤はブラックホールに近いところにあるので、見かけの大きさがたいへん小さく、これまでそれを分解して見た人はいませんでした。
ブラックホールのもうひとつの特徴
ブラックホールは、すでに説明した2つの成分(本体と降着円盤)に加えて、その近傍から放射されるジェットを持っています。
ジェットとは、ガスが細く絞られながら速い速度で出ていく現象を表す言葉で、日本語では「噴流」などと訳されます。
飛行機のジェットエンジンは、噴流を作り出してその反作用で推進力を得る装置です。あるいはもっと身近なものでいえば、水鉄砲からでる水も、細く速い速度で飛ぶので、噴流の一種と考えてよいでしょう。
ブラックホールから出るジェットは、光速に近い速さで、非常に遠くまで細く絞られて飛び出していくのが特徴です。
このようなジェットがどのように生成されるか、どのように光速近くまで加速されるか、そしてどのように細く絞られるかは、まだ謎として残されています。
いよいよ見えるブラックホール
巨大ブラックホールにはまだ多くの謎が残されています。その最大の理由は、これまでの観測では、ブラックホールを分解して見ることができなかったからです。
もしブラックホールをちゃんと分解して写真に撮ることができれば「黒い穴」が見えるはずです。さらに、ブラックホール周辺での降着円盤やジェットの構造も見えれば、巨大ブラックホールというシステムの理解が飛躍的に進むはずです。
ブラックホールを見るためには、なるべく見た目の大きい天体が有利です。具体的には、なるべく重くて近いブラックホールが、見た目が大きくて観測しやすい天体になります。
これまでの観測からわかっている範囲で、ブラックホールの見た目の大きさのランキングをまとめると、表のようになります。
ブラックホールの見た目の大きさのランキング(『巨大ブラックホールの謎』より)
ランキングの堂々の第1位は、やはり天の川銀河の中心にある、いて座Aスター(Sgr A*)になります。当たり前なのですが、私たちの住む銀河系の中にあって距離が近いことが大きくものをいっています。
質量が太陽の400万倍、距離が2万5000光年のところにあるため、その見かけの大きさは10マイクロ秒角になります。「度」の単位に直すと、およそ4億分の1度です。
見かけの大きさがいかに小さいかを体験してもらうために、頭の中に月を思い浮かべてください。そして、その月面に1円玉が1枚おかれていると想像してください。
4億分の1度とは、この1円玉を地球から見たときの大きさです、といえばどれくらい小さいかが想像いただけるのではないでしょうか。見かけの大きさが「最大」のブラックホールとはいっても、実際はそこまで小さいのです。
ブラックホールの「影」
いて座Aスターが本当にブラックホールであることを証明するにはどのような観測をしたらよいでしょうか?
ブラックホールの強い証拠となるのが、ブラックホールの「影」である「ブラックホールシャドウ」を検出することです。
ブラックホールはその定義から、まったく光を出しません。一方で、ブラックホールは重力で周囲のガスを集め、そのガスが降着円盤として明るく輝きます。
このような明るい円盤を背景に、ブラックホールの光が出てこない部分が黒い影として見えるのが「ブラックホールシャドウ」と呼ばれるものです。
目指せ、視力300万
ブラックホールシャドウを捉えるには、これまでにない高い視力を持った望遠鏡が必要になります。
たとえば、いて座Aスターの見かけのブラックホールの半径は10マイクロ秒角であることはすでに述べましたが、予測されるシャドウの大きさはその数倍から5倍程度になります。
これを見るのに必要な望遠鏡の性能を、私たちが健康診断などで測定する「視力」で表せば、最低でも視力300万になります。
望遠鏡の視力は(観測する電磁波の)波長と口径の比で決まります。波長が短いほど、また、望遠鏡の口径が大きいほど、細かいものが見分けられるようになり、高い視力が達成されます。
望遠鏡の口径に関しては、遠く離れたところにある望遠鏡どうしを組み合わせて、ひとつの大きな望遠鏡として利用する超長基線干渉法(VLBI)という技術があります。この技術を使えば、地球の直径と同じ大きさの望遠鏡でブラックホールを観測することができます。
この地球サイズの望遠鏡で、ブラックホールシャドウを観測するのに必要な波長は1ミリメートル程度かそれ以下、という値になります。
地球規模の望遠鏡で挑む
このような波長1ミリメートル前後の、ミリ波サブミリ波帯での地球規模のVLBI観測網の実現を目指すのが、EHT(Event Horizon Telescope:イベント・ホライズン・テレスコープ)と呼ばれる国際プロジェクトです。
“Event Horizon”とは「事象の地平線」を意味し、これはブラックホールが「事象の地平線」で覆われていることにちなんだ名前です。
米国のマサチューセッツ工科大学とハーバード大学を中心に、ドイツやオランダなどの欧州の国々、また日本や台湾などのアジアの国々、そしてメキシコやチリも参加する、非常に国際的なプロジェクトです。
EHTの参加局はミリ波やサブミリ波での観察に適した場所に建てられているので、どの観測局も標高の高い山か、極寒の極地など、寒くて空気中の水蒸気成分が少ないところにあります。
ブラックホールの観測を目指す研究者には、高地や極寒の地でもやっていける「サバイバル力」も必要なのです。
日本でも、筆者ら国立天文台の研究者を中心とするグループが、すでに10年近くこの国際プロジェクトで活躍しています。
どのような結果が出るにせよ、これからの数年~10年間は、巨大ブラックホール研究にとって、とても楽しみかつエキサイティングな時代になります。
このような時期に研究者として活動でき、しかもEHTのようなプロジェクトに直接的に関わることができる私たちは、科学者として、たいへん恵まれていると思います。
読者の皆さんも、巨大ブラックホールにスポットライトが当たる歴史的瞬間の到来を、大いに期待していてください。
記事の英語翻訳版:
Translated version of the article:
In a historical first, a black hole has been successfully photographed!
Humanity’s first look at a “black hole”
Mareki Honma, Bluebacks editorial department
16 countries including the National Astronomical Observatory of Japan and regional research institutions have announced in a press conference together that on the night of April 10th, 2019 Japan Time, they succeeded in photographing a black hole.
The photograph is of the supermassive black hole in the center of the elliptical galaxy M87, located in the constellation Virgo.
The distance to M87 is approximately 55 million light years. The apparent size of the “hole” is about 1/100,000,000th of a degree. This can be compared to the size of a golf ball sitting on the moon’s surface, as viewed from Earth.
What can we learn from seeing the shape of a black hole for the first time, thanks to a global array of giant radio telescopes?
We will present an explanation of excerpts from the book “The Mystery of Black Holes” by National Astronomical Observatory of Japan Professor Mareki Honma, the Japanese representative of Project EHT who delivered the announcement.
What is a Black Hole?
Black holes are very strange astronomical objects. In a few words, a black hole is “an astronomical object with such strong gravity that even light cannot escape.”
In this universe, the fastest thing is light, traveling at 300,000 km per second. At that speed, in one second, light travels around Earth seven and a half times.
Even moving at that unbelievable speed, light cannot escape from a black hole, so of course regular, slower, substances cannot escape either. Since light cannot escape, black holes appear to us as pitch black astronomical bodies.
So, as the name implies, black holes really are “black holes.”
How is a black hole such as this formed?
Actually, this is related to a star’s life cycle. In the event that an extraordinarily massive star (more than 30 times the mass of our sun) burns out, it is thought that at the center a black hole will be formed.
Black holes formed according to this process range in mass from a few times to 10 times that of our sun, the mass of ordinary stars. They are called “Stellar-Mass Black Holes.”
What is a “supermassive” black hole?
On the other hand, supermassive black holes have considerably more mass than our sun. Specifically, they vary from 1 million to, at the largest, 10 billion times the mass of our sun.
Both the place they exist and their quantity are very distinctive.
Stellar-Mass Black Holes are astronomical bodies that can form at the end of a star’s life, so they can exist anywhere a star might (for example the disk of a galaxy).
On the other hand, fundamentally, at the center of every galaxy is just one supermassive black hole. Thus, in the majority of galaxies, including our Milky Way galaxy, they are thought to be omnipresent.
If we begin to grasp that supermassive black holes are ubiquitous in every galaxy, the first big question that arises is “How did supermassive black holes like this come to form?”
In fact, a clear answer to this question has not been forthcoming, and as such it remains one of modern astronomy’s big mysteries.
Actually, supermassive black holes are relatively small
Compared to that of stellar-mass black holes, the mass of supermassive black holes is much greater, and their radii are similarly larger. By the way, compared to other astronomical bodies, these sort of supermassive black holes are not actually that big.
Having said that it is such a large supermassive black hole, it is not even the size of the solar system, and seen from the galaxy as a whole, it is no bigger than a dot.
For example, the black hole at the center of the Milky Way Galaxy, Sagittarius A*, has a mass of approximately 4 million suns and a radius of 12 million kilometers. This is only 8% of the distance between the Earth and the sun.
The brightest thing in space, even though it’s “black!?”
Furthermore, another surprising characteristic is that supermassive black holes are the “brightest astronomical bodies in space.”
Hearing this, you are thinking “huh?” right? At any rate, as the name implies, an astronomical body that consumes even light should surely be dark.
However, black holes are dark only when they exist alone in a vacuum. If a black hole exists in a galaxy, due to its strong gravity, it attracts gasses floating around.
As gas gradually begins to fall into the center, soon a spinning disk of gas (an accretion disk) forms around the black hole.
The gas, due to the gravity of the black hole, is accelerated into a rotational speed close to that of light. Under those circumstances, due to friction, the gas is heated up to an exceedingly high temperature and shines very brightly.
Inside these astronomical bodies thought of as “black holes”, there is something that shines brighter than a trillion suns.
To be sure, however, it is not the black hole itself that shines, but instead the accretion disk around it. Because the accretion disk is extremely close to the black hole, and it appears quite small, no one had tried to differentiate the two.
One more characteristic of black holes
In addition to the 2 components that I already explained (the main body and the accretion disk), black holes possess jets that radiate from the area around them.
“Jet” is a word used to describe a phenomenon where gas escapes at a high velocity while being squeezed into thin streams. In Japanese, it is generally translated as “噴流” (fun-ryuu).
The jet engines of an airplane are devices that create jets, obtaining their propulsion from that reaction. Or, to go with a more familiar example, the water from a squirt gun shoots out narrowly at a high velocity. You can think of this as a kind of jet.
A feature of black holes is that the emerging jets move at a speed close to that of light, and are narrowly squeezed to project out quite far.
How these sort of jets are generated, how they are accelerated to near the speed of light, and how they are squeezed out so finely remains a mystery.
Finally, a visible black hole
Many mysteries about supermassive black holes remain. The biggest reason is that through the observations up until now, black holes could not be visually resolved.
If a black hole could be carefully analyzed by photography, the “black hole” itself would surely be visible. Furthermore, if the accretion disk and jets surrounding the black hole were visible, understanding of the entire supermassive black hole system would rapidly advance.
In order to observe a black hole, the bigger the apparent size the better. Generally, the closest and heaviest black holes have the biggest apparent size and are the easiest astronomical bodies to observe.
With the scope of understanding gained from observations up until now, ordering black holes by their apparent size will create a chart.
Coming in squarely at #1 in the chart is the black hole at the center of the Milky Way galaxy, Sagittarius A*. Naturally, as it is at the center of the galactic system we live in, things a short distance away appear larger.
With a mass 4 million times that of the sun, since its distance is 25,000 light years away, its apparent size is 10 micro-arcseconds. Converting to units of degrees, that is about 1/400,000,000th of a degree.
In order to grasp just how small its apparent size is, please visualize the moon in your head. Then imagine that placed on the moon’s surface is a single penny.
If I said that 1/400,000,000th of a degree is the same as looking at that penny from the Earth, perhaps you can imagine just how small it is. The apparent size of the “largest” black hole is actually quite small.
A black hole’s “shadow”
In order to prove that Sagittarius A* is actually a black hole, what sort of observations should be made?
Strong evidence for the existence of a black hole is detecting the black hole’s “shadow.”
By definition, a black hole emits no light whatsoever. On the other hand, a black hole collects gas around it due to its gravity, and that gas shines brightly in the accretion disk.
Against the backdrop of this bright disk, the part of the black hole from which light does not emerge appears as a dark shadow and is thus called the black hole’s shadow.
Aiming for 3,000,000x vision
In order to perceive a black hole’s shadow, a more powerful telescope than ever before was needed.
For example, I have already stated that the apparent radius of the black hole Sagittarius A* is 10 micro-arcseconds, but the predicted size of its shadow is on the order of a few to 5 times that.
The telescope power needed to view this, if expressed in terms of our eyesight as measured in an eye exam, would be at least 3 million times more powerful.
(Translator’s Note: Japanese and American eye exams have different systems of measurement that are quite difficult to convert between. Japan uses a decimal system where anything below 1 is worse than average, and anything above is better than average. So, an eyesight measurement of 3 million would be extraordinarily good. I didn’t want to convert this into the American system, where 20/20 is normal, because that measurement actually means that for a score of 20/10, you are able to see things at 20 ft away that most people need to be 10 ft away to see. Because the American system incorporates physical distance, the conversion would be extremely misleading.)
A telescope’s power is established by the ratio of the wavelength of the observed electromagnetic waves and the aperture. The smaller the wavelength or the bigger the telescope’s aperture, the more finely the telescope will be able to resolve images, achieving more powerful vision.
With regards to a telescope’s aperture, by combining telescopes in places far away from each other, they can be used as one giant telescope – a technology called Very-Long-Baseline Interferometry (VLBI). If you use this technology, you can observe a black hole with a telescope the same size as the Earth’s diameter.
With this Earth-sized telescope, a wavelength of 1 mm or less is needed to observe a black hole’s shadow.
Contending with a telescope on a global scale
The international project known as EHT, the Event Horizon Telescope is aiming for the implementation of the VLBI global array observation network on the millimeter/submillimeter band, around a wavelength of 1 mm.
The “Event Horizon” is the term associated with where the black hole is concealed.
With the American Massachusetts Institute of Technology and Harvard University at the center, European countries such as Germany and The Netherlands, Asian countries such as Japan and Taiwan, as well as Mexico and Chile joining in, it is really quite the international project.
EHT’s participating stations are built in areas suitable for observation in the millimeter/submillimeter wavelength. The observation stations are in cold places with very little water vapor content in the air, such as on high elevation mountains or in intensely cold polar regions.
The researchers aiming to observe a black hole need the “survival ability” to live even at high elevations or in the freezing cold.
In Japan as well, we writers, with scientists from the National Astronomical Observatory at the center of our group, have already been participating in this international project for nearly 10 years.
No matter what the result is, the next few to 10 years will be a very fun and exciting era for supermassive black hole research.
To live in this era as researchers, and moreover to be able to be directly involved with a project like EHT, I believe that we as scientists are incredibly fortunate.
To all my readers, please greatly look forward to the arrival of the historic moment when a supermassive black hole is revealed.