「サイバーパンク:エッジランナーズ 」対話翻訳分析
-
作品について
「サイバーパンク: エッジランナーズ」というアニメは、「Cyberpunk 2077」というゲームをベースに制作されている。そして、サイバーパンクの世界は、アンチ・ユートピアンの未来の世界だ。人たちは、脳の中に電子チップを入れて、インターネットやテクノロジーの技術がよく発達している。しかし、この社会は、テクノロジーは発達しているが、人々のモラルが低い社会である。これは、人々はどうやって生きていくかという質問を考える、デビット・マルテネスと彼の友達の話だ。
(図1:主人公デイビット)
-
作品を選んだ理由
「Cyberpunk 2077」というゲームを元にしたアニメだけど、このアニメのキャラクターがかっこよくて、音楽もいいと思った。そして、この作品の舞台は、アンチ・ユートピアンの未来の世界だ。複雑な人間関係や社会の不平等を考えて、今の私たちにとって、深くて教育的な意味がある。そして、アニメの対話の表現、特に英語や日本語の対話の表現は全然違っている。例えば、主人公デビットは日本語を話す時のキャラクターと英語を話す時のキャラクターを比べて、まるで違う人だと思った。だから、作品やキャラクターは違う言語からの強い影響を受けているのではないかと考える。それで、このような翻訳の違いに興味を持った。
-
分析の視点
分析の視点は、主人公のデビットの視点からの、さまざまな人物との電話内容だ。主人公が貧しい境遇の学生であることから、彼と対話する人物たちは、彼と異なる言語習慣があり、態度をとっている可能性がある。彼らの会話からそれらの違いを抽出し、分析することで、社会的背景や経験の違いが人々の言語習慣や態度にどのように影響するか考える。
また、サイバーパンクの背景は、人物の言語習慣に大きな影響を与えることがある。日本語に元々存在した言葉だけでは、サイバーパンクの世界観を的確に表現することができず、多くの場合には、カタカナ語が使用されることがある。デイビッドの母親は、下等労働者としてデイビッドの学費を支払うことができ、一家の唯一の収入源でした。家族の経済状況は、生活費をカバーするのがやっとである。社会階級がはっきりと存在する社会において、デイビッドが差別される可能性がある。加えて、人々の道徳心の低さから、日本語の暴力的で無礼な一面を会話から探し出してみる。
-
分析と考察
-
感嘆詞
今回のプロジェクトの分析は、キャラクターの対話を中心に行われていることだ。キャラクターは日常会話で感嘆詞をたくさん使って、英語を話すときは、もう少しカジュアルな印象が持っている。例えば:「ドクター:ハー、どうだーい?Sooooo whaddaya think?」この会話全体の英語の翻訳は特にカジュアルになっている。日本語も日常会話ではあるが、英語の方がとても口語的な感じがある。
でも、感嘆詞は言語に特有のものであり、翻訳が難しくなている。例えば、「デイビット:すっげえ!ドク!ホントヤバいBD持ってんな。Who keeps feedin you these nuggets, Doc?」ここには、「すっげえ」に対する英語の翻訳がない。そして、ドクターは「フハハハハッ」という感嘆があるが、英語の翻訳は簡単的な「Hah!」だけだ。英語の翻訳は、大抵日本語に対して翻訳しなくて、文句の意味や場合を考えて人物の態度の表現だ。「フハハハハッ」や「すっげえ」という感嘆詞は、確かに日本語の一つの言語の特徴で、翻訳できない時があるが、キャラクター同士の対話の中の気持ちや意味を残すことの方がとても重要だと思う。
(図2:ドクター)
2. 特殊カタカナ
特殊なカタカナは、会話の中にたくさん出てくる。第一の例は、デビッドがエージランナー(サイバーパンクの技術で発狂する人)の記憶を見た後、「ホントヤバい」、「マジで脳がシビれる」と言った。例えば、「デイビット:すっげえ!ドク!ホントヤバいBD持ってんな。Who keeps feedin’ you these nuggets, Doc?」日本語の原文と英語の翻訳の気持ちの表現は似ているが、意味はまったく違う。「ホントヤバイ」の英語の翻訳はないが、英語の台詞はとても創造的な文を使う。この場所で特定のカタカナを使うことは、高校生のデイビッドの言語習慣に合致しているだけでなく、彼の頭がまだ極度に興奮している状態であることを伝えているのではないか。
その後、デビッドには要求されたアップグレードするお金がないことを表明した後、校長の息子のカツオが、「金」の代わり、「カネ」を使う。この背景で、カツオは特殊なカタカナを使って、デビッドを軽蔑し、お金がないことをあざ笑う気持ちを表現する。特殊なカタカナで嘲笑を表現し、デビッドが持ってないものを強調するのは、カツオの言語習慣なのではないかと思う。デビッドのお母さんが交通事故で亡くなった後、カツオはデビッドの母親を「ママン」と呼ぶ。このような蔑称は、母親に対して失礼であるだけでなく、デビッドの母親を失った悲劇に対する軽蔑も表現する。以前、「社会地位が高い人の話す方はもっとフォーマルかもしれない」と思っているが、カツオの話し方は全然マナーがなくて、カツオのキャラクターは英語でも日本語でも同じに見える。
(図3:カツオ)
3. 俗語
この作品では、人物の電話内容の公式英語がある。その英語から、作品の世界観をもっと了解できる。
まず、未来感を表現するために、今の日常会話は使わないし、存在しない英語単語を多く使う。「edgerunner」や「BD」のような、未来技術に関連する固有名詞がたくさん使われている。まだ、「fossiltech」みたいな古い技術を笑う言葉も日常化している。それ以外、ドクター(闇市医者)が「choom」を使って、「bruh」の意味を表する。そんな言葉の使い方から、現在とは全く異なる未来の世界の文化背景も表現しているのがわかるる。ネオアフリカアメリカ人の間で多く使われる言葉が、この作品の世界観ではとても日常的な言語になっている。面白いのは、日本語の原文の中で「choom」という文化的な特殊俗語がない。これは確かに日本語よりも英語の方が顕著に表れていることだと思う。
(ここのBDは「Brain Dance」の省略形で、VRテクノロジーで作られた映画)
-
結論
「サイバーパンク:エッジランナーズ 」の翻訳比較をして、考えたことを三点あげる。一番目の点は、日本語の原文より英語の翻訳がずっとカジュアルだということだ。日本語の話し方と比べて、英語の翻訳はとても創造的な文を使う。それに、英語の対話には悪口を多く使っていて、日本語よりもっと攻撃的な表現が使われているる。一方で、日本語でよく使われる感嘆詞の中には、英語に訳すのが本当に難しいものがある。それは確かに、言語が違えば、特徴も違うということだろう。二番目の点は、英語の翻訳は大抵日本語に対して翻訳せず、文句の意味や場合を考えて人物の態度を表現したものということだ。日本語の原文と英語の翻訳では、気持ちの表現は似ているが、意味は全く違っている。最後の点は、この作品の舞台は未来の世界だから、キャラクターや文化など、とても多様性に富んだ作品で、それが翻訳にも現れているということだ。この作品を研究している間に、私たちは英語と日本語の言語的な慣習の違いを学んだ。この作品の言語的な習慣は、一般的な学術用語とは異なり、作品自体の背景に深く影響されていると思う。 独特の世界観を持つ他の作品にも、独特の言語的雰囲気があるのだろうかと考えさせられた。
イシュアン・ワン、フレダー・フー
4/26/2023
Credits:
Cyberpunk Edgerunners is Worth the Hype (Spoiler Free Review)
Cyberpunk Edgerunners is off to a much better start than 2077
https://www.cyberpunk.net/en/edgerunnershttps://wherever-i-look.com/tv-series/anime/cyberpunk-edgerunners-season-1-episode-1-let-you-down-recap-review-with-spoilers
日本語と英語の翻訳を比較して分析するのは難しいと思いますが、ポイントがまとまっていてとてもわかりやすく、勉強になりました。作品を知らなかった私でもその場面が想像できるほど作品の場面も丁寧に説明されていて、日本語と英語の違いを事例とともに知ることができました。どの考察もすばらしいと思いましたが、私が特にすばらしいと思ったのは、感嘆詞の考察です。今まで注目することなく日本の漫画やアニメを楽しんでいましたが、英語ではこのように表記するのだと驚きました。英語の方が口語的でカジュアルな印象を持つという考察に非常に共感しました。また、カツオが金を「カネ」と特殊カタカナを用いて表現したことについて、デビットへの軽蔑や嘲笑を示していると考察されているのはすばらしいと思いました。私は慣れている日本語だと言葉や作品をイメージのみで理解することが多い気がします。「カネ」と特殊カタカナが用いられている理由が非常にわかりやすく言語化しており素晴らしいと思いました。
英語から日本語、または日本語から英語に翻訳する際に、表れる日本語の独特な表現や、使用されている文や単語から推察される日米の文化について考察を深めることができ、とても興味深かった。
特に、日本語の感嘆詞や特殊カタカナの概念は英語にはないものであり、これらの使い分けや意味についてよく考察されており、話し合うことはとても面白かった。